口座開設方法のページでご説明して来たような各社の違いがあります。その中から3社に絞ってCFDの取引コストを考えてみます。
3社とはXM、TitanFX、楽天証券CFD。
現在の各社のスペックから、この3社とクリック証券もCFD取引をする上で利用する価値があると私は考えます。
CFDの取引コストは主に、スプレッドとスワップポイントです。この辺りの用語はFXと同じ。
金利調整額、価格調整額、配当相当額という言い方をする事もあります。
オーバーナイト金利と言ったりもします。※ロールオーバーしたらオーバーナイト金利が発生する(笑)。ややこしいですね
問題は何かというと、例えば日経225を長期保有しようと考えたとします。
しかし、オーバーナイト金利が発生し、日々持ち越すたびにわずかながらも手数料を引かれるとしたらどうでしょう?
長期保有しようと思いますか?
持っているだけでコストが掛かるのなら嫌になってしまいます。
そこで、現実的に
どのくらい日を跨いで持ち越した時に手数料を払わなければならないのか?を3社比較してみよう!というのがこのページです。
(スワップポイント、買いスワップ、売りスワップ、スワップ金利、金利調整額、価格調整額、オーバーナイト金利、ロールオーバー!
言い方は色々。何でも良い。)
CFDは「差金決済取引」と日本語に訳されます。
意味合いは、インカムゲインよりもキャピタルゲインを中心に利益を上げるための金融商品だということ。
この差益を狙いに行く!というのがコンセプト。
そのため、CFDではほぼ一日中(24時間とはいかない)取引可能!買いも売りも自由自在。瞬間的に売買可能。
デイトレードも気軽に出来ます。
しかも、日経平均やNYダウのような株価指数、金や原油のような商品、個別株(米国株含む)まで幅広く取引可能です。
CFDの敷居は低く、
例えばTitanFXで日経平均を買うのに必要な資金は5000円程度。クリック証券でアップルの株を取引するなら2000円台。
※2022年1月時点
このように気軽な金額から売買可能なので、
チャート分析がきちんと出来て値動きの上下のタイミングを計れるトレーダーには最適な金融商品だと言えます。
しかし問題があります。
それは日を跨いで持ち越した時。先ほども書いたように、ロールオーバーやオーバーナイト金利と言って
翌日へ持ち越すだけでやれ金利差だの調整額だのと手数料を取って来ます。
もちろん、それが証券会社の収益になり、そのサービス継続のために必要なコストであるため条件を飲んで払い続けるしかありません。「CFDは儲からないから、サービス提供をやめよう」となれば我々としても損ですよね。
持ち越すと手数料が発生する。それをまず理解して頂いて、その上で
「どの証券会社でやれば、手数料を抑えられるのか?」を検討すべきではないでしょうか。
エックスエムでは、株価指数CFDと株価指数先物が分かれているのがポイント。
CFDにはオーバーナイト金利(XMでは買いスワップ・売りスワップという表記)が発生します。
しかし先物で取引すれば、この問題からは抜け出せます。株価指数先物ではスワップが発生しないからです。
先物には限月があり、3か月で自動的にポジションがクローズされます。
よって、最大3か月以内の保有を考えていれば、先物でOK。
3か月以上持ち越したい、今年一年買うぞ!
という場合には「US30CASH」と書いてあるような株価指数CFDの方を取引する必要があります。
先物では「US30-MAR22」というような書き方をしてあります。「これは3月22日までですよ」、という意味。※US30はNYダウ(ダウ工業30種平均)のこと。
XMには商品先物と商品CFDもあります。商品とは、金や原油のような形あるもののこと。
商品先物も株価指数先物と同じように、限月のSQ日(最終日のこと)で自動的に決済されます。この写真に書いてあるように、XMのサイトにも「自動ロールオーバーは提供しておりません」とあります。
XMの商品は、
この2つに分けられます。
楽天証券CFDの株価指数とTitanFXの場合、
どれを買っても(売りでも買いでも)CFD銘柄の翌日持ち越しはマイナスになる。
※しかし楽天の商品CFD(金・銀・原油)は売り買いどちらかでゼロまたはプラスがある。
このように覚えておいて下さい。
楽天証券・・・FXの場合は金利差によってプラスになったりマイナスになったりします。その時々で開示されている情報をご覧下さい。
TitanFX・・・FXでもスワップポイントがほとんどマイナスになっています。手数料が含まれているからですね。※2022年1月時点
今までの話では、
このような事が分かりました。
スワップやオーバーナイト金利がなぜ常にマイナスなのか?買いか売りかどちらかはプラスだろうが!
という点が気掛かりではないでしょうか。
買っても売ってもマイナスになるのなら、差益でカバー出来たとしても損をした気分になります。
通常、金利調整額というと「金利差による調整」という意味合いになりますので、
FXなら「金利が高い国の通貨を金利の低い国の通貨で買えば、逆に金利差で幾らか貰える」というような意味です。
では、「国と国の金利差がオーバーナイト金利」であるならば
買いか売りかどちらかではむしろ金利を貰えるはずだ。
そう思われるはず。そして、それは間違ってはいません。
しかし実はここには手数料が含まれます。
証券会社の収益の一つなのですね。
そのため、よほど金利差がある組み合わせでない限り※は
「金利分+手数料→マイナス」という形になり、手数料分を毎日払い続けることになります。※トルコ円とか、そういう組み合わせ以外
日本とアメリカの金利差が大きく拡大していった時にもしかするとプラスになることもあるでしょうが、
XM・TitanFX・楽天証券CFDにおいて、CFDでスワップ分を貰える(プラスになる)ことはあまりないと考えておいた方が良いでしょう。
現在のところはこのような状況です。
【結論】
買っても売っても、どちらにせよ
翌日へ持ち越せばスワップや金利という名の手数料でマイナスになります。
いずれ改善されることを祈っておきましょう。
ただ、それでも抜け道はあります。
クリック証券では翌日への持ち越し手数料を「金利調整額」「価格調整額」という言い方で表しており、
株価指数CFDは価格調整額、商品CFD(の一部)は金利調整額となることが多い。
詳しくは次の通り。
価格調整額は、毎日ではなく、1か月おきか3か月おき。
価格調整額はほとんど気にする必要がない。
金利調整額は毎日持ち越しで発生するコスト。
金利調整額はもらえることもある(金と銀の場合)。
1枚につき数円とか、その位のイメージで貰えたり支払ったり。
【ポイント】
まとめると、クリック証券のCFDなら
株価指数を長期保有しても低コスト。
ただし、米国株CFD(アップルなど)は、金利調整額を毎日支払うことになるので
長期保有には向いていません。
その代わり、(買いで持てば)そのうち配当金のような権利調整金を貰えます。
この3択です。
取引したい市場が・・・
株価指数ならXMの株価指数先物。またはクリック証券の株価指数CFD。金か銀ならクリック証券や楽天証券がコストが安い。原油などの商品先物なら、XMでもクリック証券でも楽天証券でも持ち越しコストがほぼない。
海外FX業者では、スワップポイントに手数料を含み、翌日持ち越しのコストが掛かることがあります。
FXでもほとんどの銘柄でマイナスのスワップポイントになる証券会社があります。検証しましょう。
※2022年1月時点
レバレッジとスワップポイントを考えると、GEMFOREXが一番です。
楽天証券はなぜか買いも売りもゼロになっていました。
XMなどは手数料を含んでいますね。
スワップポイントがプラス・小さい証券会社は手数料を含まないということ。
証券会社が
これによって方針が変わってきます。
■DD方式でストップポイントを広くしておけば、証券会社は収益を上げやすいですよね。
※DDは日本なので、IG証券がこの方法。楽天証券やクリック証券にはありません。
■スプレッド(買値と売り値の差)が一番分かりやすい手数料となります。
※スプレッドを広めにしているのは、海外FXの通常口座。※対処としては、Zero口座(XM)やブレード口座(TitanFX)を使う事です。
■XMとTitanFXはストップポイントがゼロ。GEMFOREXはストップポイントがある。
※ストップポイント+スプレッドで「10PIPS離れたところから損切りを置ける」なら超短期のトレードは結構つらいですよね。※ストップポイントがある場合、「スキャルピングをしてほしくない」と考える事も出来ます。
ストップポイントで考えれば、XMとTitanFXがゼロなので有利でしょう。
レバレッジも高いですし、スキャルピング向きという事になります。
※スワップポイントがマイナス、ストップポイント(損切りを置ける最低PIPS)がゼロだから。この2社はFXもCFDも同じような感じ。
GEMFOREX(のFX)や楽天証券MT4(FX)は、デイトレード~スイングトレード向きですね。
スワップポイント(翌日持ち越しのコスト)が小さいからです。
※楽天証券もGEMFOREXもFXの場合。CFDは異なる。楽天証券は商品CFD(金・銀・原油)の長期保有コストが低い。株価指数CFDはスワップポイントがマイナス。
注意)GEMFOREXのCFDは、スワップポイントがマイナスなので注意。(2022年1月時点)基本的にGEMFOREXはFXが向いている!
レバレッジもFXは1000倍で、CFDは200倍程度まで。
GEMFOREXのFXならスイングトレードでも保有コストが掛かりにくい(スワップポイントが小さい)。
このように、「何を取るか。何がしたいか。」を自分で判断するしかありません。
どこかに手数料代わりのトレーダーに不利になる条件が隠されているはずですが、自分の取引の特性と合うならその条件は飲めるというわけです。
というわけで、いかがでしたか。
楽天証券なら株価指数を長期で持つ時は、特定口座でETFを買った方が良いでしょう。
楽天証券CFDは下落相場でヘッジに使用したり、短期トレードに使うのがオススメ。MT4なので売買自体やりやすいですし、入出金も楽。ただしレバレッジが10倍で、約定力自体は強くないので素早い値動きではすべることも多い。
どちらにしてもデイトレードでやる場合はスワップポイントは関係ありません。
CFDで、翌日持ち越しのスワップ(金利調整額)が小さい証券会社は次の3つ。
ただし、クリック証券CFDに関してはMT4で売買が出来ず、売買自体がしにくいので注意が必要です。株価指数のレートもズレている事が多い。※詳しくは「証券会社による違い」をご覧下さい。
また、TitanFXでは、翌日持ち越しのコストは掛かりますが、唯一(CFDでも)ハイレバレッジの500倍です。
この他に検討すべきコスト
スプレッド、ストップポイント
ストップポイントについては次の通り。なお、商品ごとにストップポイントやスプレッドは異なります。同じ証券会社でも市場によっては全く気にならないケースも多い。また、スイングトレードなどではあまり損切りを小さくする必要はないので気にしなくて良い。
※2022年1月時点
株価指数先物には配当金がなくスワップもありません。持ち越しやすい。※最大保有期間3か月
(金と銀ではなく)原油や小麦などの商品先物にはスワップが発生しないので翌日以降に持ち越しやすい。